Volvo 940GLEは、1996年12月に5年落ち、4.5万kmの中古で買った。
2003年9月に買い換えるまでの7年、約6万km使った。
オドメータは10万kmを超えたところで手放したが、20万kmは大丈夫などと言われていたVolvoにしては走行距離の少ないほうだといっていいと思う。
手放した理由は、天井の内張りが垂れ下がってきたこと。内張りと天井の間のウレタンフォームが劣化して剥がれ、後ろのほうが垂れ下がってしまい、後方視界の半分を隠してしまうような状況になった。
これがなければ、特に買い替えを意識することもなかったように思う。塗装の状態も悪くはなかったし、オイル漏れも特になかった。
この車の長所は、最小回転半径5mと、大きく見えるわりには結構小回りがきき、取り回しがとても楽であることと、トランクがとても広く、荷物がたっぷり積み込めること。次に買ったアバロンでもトランクが大きいという定評があったが、940のトランクに慣れた身からすると、これで大きいのかいな、などと思ってしまった。
一方の特徴は、重い、非力、うるさい、である。
でも、「この車は頑丈なのだ」と、思い込ませてくれる不思議な車だった。
実際に頑丈なのかどうかは、ぶつかったことがないので分からないが、購入にあたっては家族の安全を優先して選んだ結果、この車にたどりついた。
きびきびとした走りなどというものは期待できない。
「まぁ、そうは言ってもさぁ。そんなに力はないんだしぃ」などとドライバの意見など無視するがごとき車に、いつしかドライバは心地よい諦めの境地に至る。よくできたシートに身を預け、まったりと、穏やかなドライブを楽しむ。
これがVOLVO流、なんだろうと思う。
要するに、あんまり走らないけど、実用車としては徹底している。これでももう少し静かなら言うこともないのだが、このエンジン、やたらと騒々しかった。
DOHC2300cc。1.4tの車重に対して出力150ps(110kW)。トルクは20.3kgm(199Nm)。
カタログ値だけで見れば、決して鈍重を連想させる値ではないし、実際、高速での伸びも悪くはない。こんな格好をしていながら、150kmを超えるような速度でも浮き上がってふわふわするような感覚はない。シートも確かによくできており、長時間乗っていても腰が痛くなることもない。シートのよさや高速での安定性が長距離でのドライバの負担を軽減してくれる。これも安全に走らせるというコンセプトの表れかと、ついつい感心してしまう車だった。。
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